10月3日(日)に開催される
「宮谷理香ピアノ・リサイタル~デビュー25周年 未来への前奏曲~」。
公演前の特別企画として、宮谷理香さんのインタビューをお届けします!
〈未来への前奏曲〉に込めた願い ―未来を分かち合う時間にしたい
このコロナ禍にあって、皆さんもそれぞれのお立場で様々なご苦労をされていらっしゃることと拝察します。
時代の閉塞感に苛まれ社会が停滞する中で、「音楽家としてどう生きるか」「デビュー25周年を迎えるピアニストとして何を発信できるか」を考えました。
これまでも演奏会にコンセプトを載せ、理念を伝えることを意識してきたのですが、今こそそれが必要ではないか、と感じたのです。
この人類にとってのコロナ元年を「時代が生まれ変わる前兆である」「未来の始まりである」と捉えたら、光を届けられるのではないかと思い至りました。
演奏会場にいらしてくださる皆さんお一人お一人にとっての〈未来への前奏曲〉にできたら力が湧いてくるのではないか。リアルで集まる必然性も生まれるのではないかと。
また私自身のデビュー25周年も、「集大成」とか「到達点」ではなく、これからも続く人生の始まり=前奏曲に過ぎない、と考えたいと思ったのです。
コンサート会場の皆が、エンパシーを持ちつつ未来を感じる。
すべての人にとっての「Prelude=前奏曲」になるといいなと思っております。
プログラムのテーマは「前奏曲」
「前奏曲」を大きなテーマにしようと考えて曲目を組んでいきました。
ショパンはまとめて弾く機会としたい。
そこにショパンが敬愛していたバッハ、そしてバッハの「平均律クラヴィーア曲集」からインスピレーションを受けた作曲家たちの作品を弾くことで、鍵盤音楽史の展望も感じられればと思っています。
「前奏曲」のコンセプトを意識しつつ、今の時代の風を盛り込んだ選曲を目指しました。
バッハ、ショスタコーヴィチ、フランクのコラール、ラフマニノフの鐘については、「祈り」を意識しての選曲です。
25周年記念盤が10月発売決定!生演奏と聴き比べてほしいポイントは?
ホールでの生演奏は、リアルな空気、時間の共有が醍醐味です。ステージでの音の奥行きや会場に広がる波動というものは、精巧なCDであったとしても再現しきれません。
特に「減衰してゆくピアニシモ」に関してはぜひその場で味わっていただきたいですね。
CDは、演奏するのはもちろんピアニストですが、録音技師、ディレクター、調律師、等々のスタッフによるチーム仕事ですので、また違った世界と捉えています。
多くのプロフェッショナルの手で作り出された世界観を楽しんでいただけたら。
注目のショパン国際ピアノコンクール!第13回入賞者の宮谷さんは…
予備予選が終わり、本大会にエントリーできるコンテスタントが決定しましたね。
すべての奏者に、心からのエールをお贈りしたいです。
コピスみよしでの公演の頃は、ちょうど本大会の時期でもあります。
5年に1度の大きなコンクールです。オリンピックを目指すアスリートと同様に、もしくはもっともっと長い期間、準備を重ねてきた若きピアニストを、ぜひ皆で応援しましょう!
ショパンとバラ コンクール入賞時のエピソード
私自身のショパンコンクールのエピソードですが、
第一次予選の朝、さすがに緊張が高まりました。ホテルからホールに向かう地下道で、真紅のバラを1本買い求めました。心を落ち着けるために選んだ場所は聖十字架教会。
ショパンの心臓が収められた柱のある静寂の祈りの場で、バラを捧げ、感謝を伝えたのです。
2次予選からも「ゲン担ぎ」で、2本、3本、4本と。笑。
11本目のバラは、入賞後に立ち寄ったパリのペールラシェーズ墓地にて、彼の墓に捧げて感謝の報告をしました。
コピスみよしにご来場のお客様へ
コピスみよしは、柔らかな木のぬくもりの響きが素晴らしいホールと伺っています。
スタインウェイのフルコンサートグランドピアノも、素晴らしい音色を奏でてくれることでしょう。
このような願ってもない環境が町から発信されているなんて、本当に恵まれていて素敵ですね。
芸術の秋10月に、皆様と「未来への前奏曲」にて未来を感じる時間をご一緒できますことを心待ちにいたしております!
チケット好評発売中!公演情報はこちらからご確認ください。