お知らせ

2022年9月2日 小川典子さんのインタビューを公開しました!

10月1日・10月2日にコピスみよしでの公開マスタークラス、そしてピアノリサイタルを控える小川典子さん。

この公演に先立って、小川さんのインタビューが実現しました!

コピスみよしにご来場の皆さまに向けて、公演の楽しみ方、マスタークラスの注目点など、気になるポイントをお答えいただきました。ぜひお読みください。

♪公演情報はこちらから♪

小川典子 ピアノ・リサイタル10月2日(日) 15:00開演 チケット発売中

小川典子 公開マスタークラス10月1日(土) 15:00開講 聴講無料

 

©Akira Muto

 

 

 

 

―ワールドワイドに活躍されている小川さん。近年は思うように移動できない状況とは存じますが、イギリスと日本の2拠点を往復されながら精力的に活動されています。

コロナ禍の現在、小川さんのようなバイタリティーを発揮するために必要なことは何でしょうか?

 

 世界がコロナに翻弄されるようになって、今回で16回目の帰国です。英国の本格的ロックダウン、帰国時の検疫隔離ホテル滞在、数えきれないほどのPCR検査や抗原検査など、それぞれの国の事情に合わせて移動を続けてきました。15回目の帰国まで日本の厳しい水際対策のため、自分の母国に帰ることが、とても大変と感じる日々が続きました。

 

 それでも、ありがたいことに、多くの方々から声をかけていただいたことで、帰国して日本で活動をしたい・英国に戻って生活を続けなければ、と言う気持ちがあり、それが私自身を支えているように思います。

 

 あまり考えこまずにいることが大切かと思いますが、仕事を持って海外から戻って日本の国境を超えることは、いろいろな重圧がかかりますので、海外出張を抱えた方々は、不便な思いをされたと思います。帰国するたびに滞在した隔離検疫ホテルのことを、配布された弁当の写真を見て思い出しています。少しずつ日本も国境を開いてきて、嬉しく思っています。

 

―小川さんは、例えば今回演奏するグリーグの出身地ノルウェーなど、世界各地での演奏経験をお持ちだと存じます。世界各地での体験、見聞きした情景の中で、今回のプログラムの曲と特に繋がっている…というものがありましたら、ぜひ教えてください。

 

 ノルウェーは、私が大好きな国です。フィヨルドに切り立つ断崖、静かな水面、息を吞むような大自然は、ノルウェーならでは、の風景です。グリーグの音楽は、美しいフィヨルドを眺めながら作曲されたものばかりです。9月にノルウェーに行ったばかりですので、その感動をあらたに、皆様にさわやかな風をお届けしたいと思います。

 

 フランスの作曲家ドビュッシーは、私が最も好きな作曲家のひとりです。音に色彩感や香りをたたえる音楽をお楽しみいただきたいと思います。

 

―以前小川さんの演奏を拝聴した際、ドビュッシー「前奏曲集 第一集」の「沈める寺」で、ホールの奥行きがぐっと広がっていくように聞こえたのが印象的でした。

 コピスみよしでお客様に聴いていただくのを楽しみにしている一曲ですが、ご自身ではホールごとの音の響きをどのように意識しながら演奏されていますか?

 

 コピスみよしの音響がピアノリサイタルに最適で、美しい響きであることを、多くの方々から伺っています。

 前奏曲集は、きれいなギャラリーに、小さめの12作品が並んでいて、そこをゆっくり歩いていく…そのようなイメージで演奏します。コピスみよしにお越しの皆様に、私と一緒に、音楽のギャラリーを歩いて頂くような気持ちで演奏したいと思います。

 

―「前奏曲集 第一集」には、他にも「デルフィの舞姫たち」「亜麻色の髪の乙女」など、さまざまな色彩感の曲が集まっています。小川さんが特に気に入っている曲はどれでしょうか?

 

 わあああ、それは難しい質問ですね!4番「音と香りは夕暮れの大気に漂う」こんな詩的なタイトルはドビュッシー音楽の真骨頂だと思いますし、「沈める寺」では、目の前に大聖堂がそびえたっていく様子を聴いて頂けると思います。

 

 「亜麻色の髪の乙女」は、イギリスを思わせる牧歌的な曲です。ドビュッシーは英語を話すことはできませんでしたが、じつは、かくれ英国ファンだったのです。そんなことも考えながら演奏したいと思います。

 

―一方で、今回はショパン「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」のような、大型の華やかな曲も演奏されます。こうした曲の聴きどころを教えてください。

 

 ショパンは、押しも押されぬピアノ音楽の頂点にいる作曲家です。物悲しい曲が多いショパンの中で、華麗なる大ポロネーズは一貫して明るくゴージャスで、力強い作風です。耳なじみの良いメロディに乗って、お聴きくださる皆様に、豪華な舞踏会に招かれたような気持になっていただきたいですね。

 

 

―小川さんは、様々な形で若い世代への指導や交流に当たられていると存じますが、その中でもマスタークラスでの指導は、小川さんにとってどのような場でしょうか?

また、マスタークラスでの指導の際は、受講生のどのようなところに着目していますか?

 

 マスタークラスは、1対1の密室レッスンとは違い、多くの皆様にレッスン内容を公開するものです。ですから、演奏者が今どこを弾いていて、私がどこの何についてご提案をしているかわかるように進行することが大切だと思っています。

 

 マスタークラスでは、最初に演奏をしていただくときは演奏会と同じです。なので、受講生の皆さんには、レッスンだと思わずに、自分の思いのたけを演奏に吹き込んで頂きたいと思います。それから、私がどのように感じたか、何かお役に立てるか、考えていきたいと思います。

 

―今回は1日のマスタークラス・2日のリサイタルに、通しで参加する方も多いと思われます。こうした受講生・聴講生のために、リサイタルで注目してほしいことを教えてください。

 

 マスタークラスで私がペラペラ話したことを、2日のリサイタルの場で、私自身が実現できているか、そのあたりをお聴き頂きたいと思っています。

 つまり、10月1日・2日は、私にとって、気持ちの引き締まる2日間になる、と言うことです。

 

―最後に、コピスみよしにご来場されるお客様にメッセージをお願いします。

 

 コピスみよしで、多くの皆様にお会いできることを楽しみにしています。

 マスタークラスとリサイタル、2日間ご一緒すると、お互いの親近感がぐっと深まると思います。ピアノを通じて皆様と交流できることを、とても楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

©Akira Muto

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